健磐龍命をはじめとした十二神を祀る神社
– 古くから農業の神として尊崇された農耕祭事が今も残る –
阿蘇開発の神である健磐龍命を主神とする阿蘇神社は、古くは肥後国一の宮と称され、現在も広く尊崇を集めています。境内には近世後期に建造された社殿や楼門など壮大な建造物が残されており、これらは、近世社寺建築の一つとして高く評価されています。
なお、阿蘇神社の年間を通した米作りに関わる神事(御田植神幸式ほか)は、「阿蘇の農耕祭事」として国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、阿蘇神社等に伝来する中世期の古文書群も、国指定重要文化財に指定され、武家の棟梁として活躍した阿蘇氏の歩みを伝えています。
阿蘇神社の季節の祭り
火振り神事 – 春 –
阿蘇地方の五穀豊穣を祈る阿蘇神社の田作り祭の神事の一つ。
農業神「年祢大神」が、姫神をめとる「御前迎え」儀式で、氏子たちがたいまつを振り、姫神を迎えたことが祭りの名の由来といわれています。
御田植神幸式 – 夏 –
通称「おんだ祭り」といわれ、みこしに早苗を投げる田植式が行なわれます。みこしの上に多く乗るとその年は豊作になると伝えられています。
田実祭 – 秋 –
田実祭は五穀豊穣を感謝するまつりとして、阿蘇市一の宮町の阿蘇神社と国造神社の2か所で行なわれます。
田実祭は国の重要無形民俗文化財『阿蘇の農耕祭事』の一つ。流鏑馬 の奉納では、阿蘇神社流鏑馬射手会の10人が烏帽子に直垂姿で馬にまたがり、140メートルの横参道を疾走、3つの的をめがけて馬上から次々に矢を放ちます。
節分祭 – 冬 –
阿蘇神社では、豆を使わずに火で清めた護摩木をまき、それを参拝者が拾いあつめ、持ち帰ってその火にあたると一年間無病息災で過ごせるといわれています。