「阿蘇」の価値を知る

概要

「阿蘇の文化的景観-カルデラ火山に展開した農業パノラマ」

世界最大級の規模と明瞭な円形陥没地形を備える迫力ある景観の火山カルデラのもとで、その地形条件を有効に利用しながら、草地に特徴のある伝統的農業を維持し高い生産性をあげてきた人々の努力が作り上げた文化的景観です。

アトリビューツ

アトリビュートとは、資産の顕著な普遍的価値を伝える有形・無形の媒体のことで守るべき重要なものです。

①地形:外輪山・カルデラ壁・カルデラ床・中央火口丘群

明瞭な円形陥没地形を残す世界最大級規模のカルデラ地形

 

②土地利用形態:草地・森林・居住地・農地、湧水地、水路、草の道

カルデラ地形に展開される土地利用形態

③農業プロセス:野焼き・放牧・採草、草肥・厩肥・茅の採取、慣行水利システム(取水・配水・灌漑)

野焼き・放牧・採草といった草地管理や水利用などの農業プロセス

④生業及び信仰の歴史に関連する要素:伝説・祭祀・信仰・伝承、宗教施設、信仰物、遺跡

自然と人々の関りに由来する伝説、祭祀、信仰、伝承の無形遺産と宗教関連施設

阿蘇の文化財

阿蘇の文化的景観
阿蘇五岳
中岳火口
阿蘇神社
中通古墳群
豊後街道

世界遺産とは

世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれ、そして私たちが未来の世代に引き継いでいくべきかけがえのない宝物です。UNESCOは、世界遺産を“人類共通の遺産”として保護・保全していくための国際的な協力体制を築く国際条約として、1972年第17回UNESCO総会にて「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(通称:世界遺産条約)を採択しました。
(引用:日本ユネスコ協会連盟HP/世界遺産とは

世界遺産の種類

日本国内における世界遺産分布図

文化遺産オンライン(文化庁)

世界遺産登録とは

世界遺産登録の流れ

世界遺産に登録されるまでの流れを簡単に説明すると以下のようになります。

1. 一覧表を世界遺産委員会へ 最初は「暫定一覧表の提出」からが登録のスタートとなります。暫定一覧表とは世界遺産条約を締結している各国の政府がおおむね、5年~10年以内に推薦しようとしている遺産のリストのことです。先ず世界遺産になるためには、この一覧表に入ることが第一の目標となります。

2.  プレリミナリー・アセスメント
(事前評価)

推薦に先立って諮問機関に評価を依頼し、推薦書の内容を洗練する制度です。※2028年の審議案件から義務化
3. 推薦 次に各国の政府は暫定リストに記載されている中から条件が整った資産を年1回(文化遺産1件自然遺産1件)ユネスコ世界遺産センターに推薦します。
4. 評価 推薦があった資産について、専門家の国際NGO団体が第三者の立場において調査を行ったうえで、客観的に評価を行います。
5. 審査・決定 最後にユネスコ世界遺産委員会による審査・決定となります。決定については、「登録」・「情報照会」・「登録延期」・「不登録」と4つの区分があります。「登録」となった場合、世界遺産として認められたことになります。

6. 世界遺産一覧表に登録

世界文化遺産の登録基準

世界遺産一覧表に登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性(オーセンティシティ)や完全性(インテグリティ)の条件を満たし、締約国の国内法によって、適切な保護管理体制がとられていることが必要です。

(i) 人間の創造的才能を表す傑作である。
(ii) 建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値感の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。
(iii) 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
(iv) 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
(v) あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの
(vi) 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
(vii) 最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
(viii) 生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
(ix) 陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。
(x) 学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。

※なお、世界遺産の登録基準は、2005年2月1日まで文化遺産と自然遺産についてそれぞれ定められていましたが、同年2月2日から上記のとおり文化遺産と自然遺産が統合された新しい登録基準に変更されました。文化遺産、自然遺産、複合遺産の区分については、上記基準(i)~(vi)で登録された物件は文化遺産、(vii)~(x)で登録された物件は自然遺産、文化遺産と自然遺産の両方の基準で登録されたものは複合遺産とします。

世界文化遺産になるための条件をわかりやすくまとめるとこの4つになります。

1.世界遺産登録の基準に適合すること

世界遺産登録の基準として、文化遺産には6項目があり、少なくとも1つ以上に適合すること。

2.その基準に適合したうえで顕著な普遍的価値が証明されていること。

 

3.文化保護法上の指定をうけていること。

国指定重要文化財などに登録され保護されていること。

4.周辺も含めたよい環境があること。

核となる文化財をコアと位置付け、その周辺環境までバッファ・ゾーン(緩衝地帯)の環境があること。将来にわたって守るための計画があること世界遺産となった後も継続的に環境や遺産を守っていく保存管理計画が策定されていること。

Q&A

阿蘇はなぜ自然遺産ではなく、文化遺産なの?

阿蘇に広がる草原は人の手によって維持管理される「半自然草地」。手つかずの自然ではありません。生業のために草原として維持管理することが必要だったために、草原が特徴となる景観が形成されていることから、文化遺産としての価値を有しています。

世界遺産に登録されるには何が必要なの?

世界遺産になるためには、
①「顕著な普遍的価値(OUV)」を持つこと
②資産の法的保護と保全のための体制が整備されていること
が必要です。
以上の条件を満たし、暫定一覧表に入ったうえで日本の候補として推薦され、ユネスコ世界遺産委員会で決議されると登録されます!

どんな取り組みをしているの?

熊本県と阿蘇郡市の市町村では、早期の暫定一覧表(ユネスコへ推薦予定の候補リスト)入りを目指し、以下の取組みを進めています。

1.学術的検討(ОUVの更なる整理)
2.資産保護(資産候補地の法的保護)
3.景観保全
4.機運醸成(普及・啓発)
5.官民連携

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

阿蘇は何がすごいの?

阿蘇の文化的景観は、世界最大級の規模と明瞭な円形陥没地形を備える迫力ある景観の火山カルデラのもとで、1000年以上にわたり人々が与えられた地形条件を有効に利用しながら、高い生産性をあげてきた人と自然の共生のあり方を示しています。これは、世界でも貴重な有機的に進化する文化的景観の見本です。

世界遺産になるとどうなるの?

「阿蘇」を人類共通の宝として守っていくことができます。